愛用の一眼レフカメラ Nikon D80について
綺麗な写真を撮るならやっぱ一眼レフカメラでしょ!ってことで2006年のデビューに合わせて購入したニコンのAPS-C一眼レフカメラD80ですが、気がつけば10年近くも愛用していました。
今回はこのD80の購入に至った経緯と未だに使い続けている理由についてまとめてみたいと思います。
きっかけは仕事で使うカメラ
そもそも、私はコンパクトデジタルカメラが300万画素次代である2000年頃からコンパクトデジカメを所有していました。
最初はソニーのCybershotシリーズ。持ち運びに便利なコンパクトボディーに3倍の光学ズームが搭載された当時としてはスタンダードな機種だったと思います。
使い勝手はと言うとスナップショットしか撮れない不自由さと、コントラストが高めで派手な色乗り感が否めず、数年後にフジフィルムのS8000シリーズに乗り換えます。通称目玉親父と言われた見た目レンズの取り外せない一眼レフと言った感じのボデイーは光学18倍ズーム搭載で寄れる寄れる(笑)
しかし、一眼レフのようにボケがある写真が撮れるわけではなく、ズーム性能と重量が上がったコンパクトデジカメ(このボディーサイズでコンパクトと言っていいのか疑問だが…)と言った感じでした。
そんなとき、仕事でカメラを使う機会があったので奮発して購入したのがNikonのD80でした。
キャノン!?かニコンか!?それとも…
一眼レフカメラといえばキャノンとニコンが人気を二分するというのは今も当時も同じでした。
もちろんほかにもPENTAXやFujifilm、コニカミノルタなど各カメラメーカーなども参入し、一眼レフカメラのデジタル化が確立されようとしていた時期だったと思います。
もちろんまだミラーレス一眼はなかったように思います。
また、当時は一般向けの一眼レフカメラに現在のようなフルサイズという概念はあまりなく、上位機もエントリー機もほんんどの機種がAPS-C機でした。
一眼レフは購入後にレンズを買い足す必要が有ることからサードパーティ製も含め選択肢の豊富なキャノンかニコンがいいのではないかということになりました。
そこで、キャノンかニコンかの決戦が繰り広げられたわけです。
レンズ資産が活かせるニコン
デジタルカメラのボディ選びはまず使えるレンズ資産があるか?というのがありました。
一眼レフカメラはレンズを交換して撮りたい被写体や状況に合わせて写真が撮れるのが一番の特徴です。しかし、レンズとカメラを接続するマウントと呼ばれる部分はメーカーごとに異なっているため、もし、使えるレンズを保有していれば購入後、レンズ代を節約できます。
キャノンはデジタル化に伴い自社マウントをEFマウントという専用のものに変更していたので、デジタル化にともなってユーザーはレンズの総入れ替えを求められました。
一方、ニコンはFマウントという規格で35mmフィルム式一眼レフカメラが確立した頃からマウントを変えていません。
今では当たり前のオートフォーカスが搭載されていないレンズでも多くのレンズが使えるというメリットがありました。
私はレンズは全く持っていなかったのですが、ニコンは約半世紀にわたってマウントを変えていないということから、ユーザーに対する考え方は高感度◎と言った感じですね。
また、欲しい焦点距離のレンズを中古でまかないやすいという点でニコンかなぁと考えました。
結局、古いレンズを買うことはありませんでしたが…(笑)
AFではキャノン優勢
オートフォーカスの性能ではキャノンに定評があります。スポーツ関係の記者や結婚式のカメラマンなどほとんどがキャノンを使っています。
AFの合焦スピードは古くからキャノンが優れていると言われており、知り合いのプロに聞いたところ、キャノンを愛用する理由のひとつだと言っていました。
しかし、当時ニコンのAF性能もかなり向上しており、キャノンと遜色ないと言われ始めた頃でした。それでもキャノン優勢であることは変わりなかったのですが、スポーツや運動会などの撮影の必要はありませんでしたので、そこまでこだわる必要性は感じないというのが正直なところでした。
色合いは用途で好みが分かれる
キャノンとニコンの大きな違いは写真の仕上がり、つまり色合いです。
キャノンは記憶色、ニコンは記録色と言われるようにキャノンは素人が見てもぱっと見、綺麗に見える色づくりが得意です。
キャノンは特にポートレートなど人肌の表現は定評があり、ニコンは風景写真などありのままに残せると言われています。
この傾向は他のメーカーだとソニーやオリンパスはコントラスト高めで風景などがメリハリがあり綺麗に撮れる印象です。
特に現在のソニーは人肌の表現なども好印象ではあります。
キャノンの場合、人肌の表現は確かに綺麗なのですが、撮影された画像を拡大すると多少の補正感は否めないです。こういう色づくりといえばそれまでかもしれませんが、やや不自然に感じる部分はマイナス評価でした。
ニコンはぱっと見た感じでの派手さはないものの、記録色と言われるだけあって忠実に再現している感じはあります。
しかし、人肌に関して言うとよくも悪くもありのまま…
歯に衣着せぬ感じでズバリと粗まで表現してしまう点や肌の黄色が少し強い感じがあったのは否めません。
色味で言うと忠実に再現してくれていればPhotoshopなどの補正ソフトである程度は補正できるだろうし、補正されたものを戻すのは難しいだろうという点でニコンかなぁといった印象でした。
ただ、ここはメーカーに寄って向き不向きがあるのでしょう。恐らくポートレートや子供の写真など人物を撮影するのがメインなら、撮ったままプリントがメインならキャノンで間違いないと思います。
前出のカメラマン曰く、撮ってすぐの納品でも対応しやすいことと、素人目にはぱっと見好印象なキャノンの方が仕事しやすいそうです。
ニコンの場合は忠実に再現された素材があるからこそレタッチや補正がしやすいものの、逆に言えば撮ったままでは物足りなく感じるかもしれないということでしょう。
ありのままの色表現が好みだったり、素材を活かしてレタッチで好みに近づけるならニコン、レタッチを念頭にいれないで撮ったままプリントしたり、ぱっと見きれいな写真がいいならキャノンを選べば良いのではないでしょうか。
細かいことを言えばまだまだたくさん比較ポイントはあると思いますが、初心者的に気になった部分をピックアップして選定基準としてみました。
決め手は操作感だった!
この時点で8割がたニコンに心は動いていましたが、やはり実機の使用感も大事ですね。
ということで、実際に店頭で操作してみて、シャッターの感覚やダイヤル調整などの使用感、グリップ感などを確かめることにしました。
当時の入門機はキャノンのKissシリーズが人気を博しており、対するニコンはD40という機種があったように思います。
しかし、どちらもオートモードに力を入れているようで、手元のコマンドダイヤルがひとつしかありません。
その代わり、シーンモードなどの設定が多く感じました。
一眼レフの醍醐味は自分でマニュアル操作してどう撮るのかコントロールすることですので、余計な機能を絞り、操作系に力を入れた一つ上位機種の中級機のほうが良さそうです。
実機を触ってみてニコンの操作感が自分には好みだったこともあり、めでたくD80の購入に至りました。
右も左もわからないので、とりあえず18-105mmズームレンズつきのレンズキットで決定!ということになりました。
いまだにD80を使う理由
D80を購入して10年近くも使い続けているには2つの理由があります。
ひとつはショット数が少ないこと。仕事で使うと言っても一度の撮影に100ショット以内でしたし、年間の撮影回数も10回あるかないかといったところでした。
また、そうこうしているうちに仕事が変わってプライベートでしか使う機会がなくなってしまいました。
また、旅行などに持ちだしても撮影ばかりしているわけにもいかないので、ショット数があまり伸びません。
もう一つの理由は後継機があまり好きでなかったこと。
D80の後継機としてリリースされたD90ですが、この時大きな変化を迎えます。
D80はセンサー(フィルムカメラのフィルムに当たる部分)がCCDというセンサーを使っていましたが、D90からはCMOSセンサーに変わり、ほかの機種もモデルチェンジに合わせてCMOS化していきました。
D90のリリース時にサンプル写真を比べたところ、D80のほうが色調が豊かな印象があったのです。
これでCMOSセンサーに対してアレルギーになってしまったのですが、これこそがいまだに巷ではD80がデジタル一眼レフ黎明期の銘機と言われるゆえんなのかもしれません。
もう10年近く愛用しているD80ですが、気づけばデジタル一眼レフはフルサイズ機時代に突入し、3000〜5000万画素が当たり前になっているなか、1000万画素のD80と比べると流石に時代遅れ感は感じてしまいます。
最近は店頭にカメラを見にいく機会もないことから、この記事をしたためながら、たまには“イマドキ”の機種がどうなっているか見てみたい気がしてきました。
でも買い換える気になってしまわないかちょっと怖い気もするんですけどねぇ〜どうなんでしょう(笑)