単焦点を楽しみたくてNikon Dfを買ってみた件

ここ一月ほど、一眼レフカメラの買い替えにあたり機種選定で悩んでいました。

当初はNikon D750とDfのどちらか…ということで検討していたのですが、途中、SONYのα7Ⅱに大きく心を揺り動かされつつも(笑)、私にとって『Nikon Df』という選択肢がベストではないかという結論に至りました。

 

あくまで私見ですが、これからカメラを買う方や買い換える方の参考になればと思い、『Dfという選択』に至った経緯をまとめてみました。

 

SONY α7Ⅱに心動かされる

Nikon D750とDfで迷っていた矢先、もう一つ急先鋒として現れた刺客がSONYのα7Ⅱでした。

フルサイズのミラーレス一眼というこれまた異色な機種なのですが、電子ファインダー(EVF)を装備しているのでミラーレスと言ってもファインダーを覗き込むスタイルでの撮影ができます。

ミラーがないことから薄くコンパクトかつ軽量なのに、フルサイズセンサーを搭載したモデルなのです。

SONYといえばコニカミノルタを取込み、カメラに力を入れていることで有名でした。

 

ニコンとはマウントも異なることからはじめは全く検討対象外だったのですが、アダプターを装着することでニコンのレンズも装着できたり、けっこう使い勝手が良さそうです。そしてこのタイミングでリニューアルしたばかりだったというのも理由でした。

 

SONYのデジカメといえばコントラストが高めで風景写真などにはもってこいな印象なのですが、作例を見る限りポートレートなども肌の表現がきれいで好印象でした。

 

結論としては2台目以降のサブ機としては魅力的な機種なのですが、MFレンズも積極的に使ってみたいと考えていることもあり、やはり光学ファインダーが欲しいということで、却下しました。

でも、余裕があったらサブ機としてほしいなぁってホント思います。

Df vs D750

正直、DfとD750は同じ土俵で比べられる機種ではありません。

D750はデジタル一眼レフとしてプロからハイアマチュアまで選ぶハイスペック機D800シリーズの下位機種で、フルサイズの入門機という位置づけです。

 

 

対して、Dfはフルサイズ一眼レフのラインナップとしては別の位置づけとなっています。

プロユースを意識した高機能機はオート機能の使いやすさに重きをおき、即応性を活かしたレスポンスが活かせるカメラなのに対し、Dfはマニュアル設定がしやすいダイヤル配置などを意識し、写真を撮るプロセスを大切にしたカメラに仕上がっている印象です。

 

 

カメラ上部に配置された各種のダイヤルは質感や操作感にもこだわり、写真を撮るプロセスを重要視している、そんな意気込みが感じられます。

しかし、完全マニュアル仕様というわけではなく、電子制御でオート機能を活かした撮影もできるように設計されています。

カメラ上部の液晶のサイズも小さく、撮影可能枚数とシャッタースピード、それに絞り値しか表示されません。

 

しかし、背面の液晶のスイッチを入れるとこちらにさまざまな設定情報が表示され、ライブプレビューやそのまま拡大してピント合わせにも対応しているので、不自由感のあるレトロ機というわけではないのです。

 

Dfはオールドレンズを使用するためのフルサイズ機という認識がありますが、実はニコンのデジタル一眼レフカメラはオートフォーカスが搭載されていない旧型レンズでもかなりのレンズを装着することができます。

AiやAi-sという、絞り値を機械的にカメラに伝えることのできるタイプのレンズや、それ以前のレンズでもAi改造されたものであればほとんどの機種で使用することが可能です。

 

それに加え、DfではAi非搭載の旧型レンズにも対応しているため、オールドニッコールのためのカメラと言われているのです。

レンズに絞り環のついた旧タイプのレンズを装着したときの操作感は現行ラインナップではDfに敵う機種はないと思います。

最新のラインナップであるGタイプレンズや手ぶれ補正機構(VR)搭載カメラだとDfにはちょっと不格好になる感は否めませんが、使用することもできますし、もちろんその機能をフルに発揮させることも可能です。

 

私は今回の買い替えでレンズの買い替えも余儀なくされていました。最初は旧型レンズならフルサイズ用でも比較的揃えやすいだろうと言う安易な気持ちでしたが、試しにマニュアルフォーカスのAi-sレンズを使ってみてその考えは一変しました。

 

意外と楽しいオールドスタイル

スマホやコンデジでの撮影では撮るまでのステップが自動化されており、シャッターボタンを押すだけで写真が撮れてしまいます。

フォーカスや露出などのさまざまなオート機能が瞬時に働き、綺麗な写真に仕上がるのですが、一眼レフカメラの面白みはシャッタースピードや絞り、感度、ピントなど、写真の仕上がりに関わる様々な設定を撮影者の意図でコントロールできるところにあります。

 

デジタル化された一眼レフカメラでは多くのオート機能が搭載されているので、カメラが決定した設定から微調整するかたちで設定を決めるということが多いのではないでしょうか?

Dfの操作でも基本的な部分は変わりませんが、本体上部に設置されたISO感度ダイヤル・露出補正ダイヤル・シャッタースピードダイヤルはDf独自の配置で、基本的にはファインダーを覗いたままの操作はしにくいです。

しかし、被写体を決め、ファインダーを覗く前に写真の構成を決めてダイヤルを弄る動作はレスポンスこそ劣りますが、カメラを操って自分の意志で写真の仕上がりを構成しているという感覚があります。

 

また、ダイヤルの操作感も適度な重みやピッチ感が絶妙で、実際には内部で電子制御されていることを感じさせない操作感です。

 

もちろん、ファインダーを覗き込んでから微調整を行うこともできますが、各ダイヤルごとに設置された誤作動防止ピンを抑えないとダイヤルが回らない構造になっていますので、ファインダーを覗いたままでの操作はやりにくいと思います。

ただ、ファインダーを覗き込むと下部のインフォエリアには他のカメラ同様、設定値などは表示されるようになっています。

 

絞り環のついたAi AF Dタイプ以前のCPUレンズでは絞り操作をコマンドダイヤルか絞り環かどちらで操作するか設定できますし、AiレンズやAi-Sレンズでは必然的に絞り環での操作となります。

レンズやカメラのダイヤルをガチャガチャと回して設定を行うのは写真を撮っている感覚がよりUPして楽しい感じがします。

 

一方、D750はこれまで使っていたD80と似た操作系で、ボタンなどが増え、よりファインダーを覗き込みながらの操作がやりやすいと感じます。

また、チルト液晶やWi-FiはDfにはない機能なので、マクロ撮影など便利そうです。

ただ、DfもアダプターをつけることでWi-Fi機能を追加できることや、スマホやタブレットからライブビューを行い、シャッターを切ることもできることもわかりました。

 

フルサイズにするというアドバンテージに加えて、これまでの延長として機能性を向上させるD750か、これまでにない楽しみを付加させるDfかという構図になってきました。

ただし、Dfは操作系がアナログ感満載なだけで、オート機能もきちんとついていますので、撮影スタイルとカメラに望む機能や性能面、デザインなどの問題のような気もします。

 

仕事でのカメラ利用はいわゆる物撮り(商品撮影)なので、どちらでも対応できそうです。

 

単焦点レンズを揃えてみたくなった

実はこれがいちばん大きな影響な理由でした。

ズーム機能のないレンズは時代遅れのように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。

カメラを楽しんでいる方には2本目のレンズとして単焦点レンズを購入する方も多くいます。

 

そして、もう一つ私自身が感じていたことがあります。

ズームレンズはレンズをズームさせることで被写体に近づくことができるので、便利な半面、レンズの特徴をつかみにくいのです。

 

単焦点レンズなら、28mm⇔35mm⇔50mm⇔85mmと、交換することで段階的に焦点距離が変わりますので、それぞれのレンズのパース感や圧縮感の変化をつかみやすく、被写体までの距離だけでなく、レンズの効果を有効活用するという観点からレンズを選択しやすいです。

ズームすることで間の焦点距離を選ぶことができるズームレンズは焦点距離の変化による見え方の変化を掴みづらく、活かしにくいように感じます。

単焦点レンズを使うことで意識的にレンズの個性を掴むことができるので、上達にはもってこいだと感じました。

 

はじめて一眼レフを持った時はこのことにあんまり気づいていなかったですし、意図的に広角や望遠の特性を使うというより、距離に応じてズームするというくらいしか考えていなかったですからね…

 

また、私の場合はフルサイズ機への買い替えにともなって、レンズも揃えなくてはなりませんが、予算的にすぐに揃えることは難しいです。

そこで、まずは古いタイプの単焦点レンズを中古で揃えてシステムを組む方向で考えました。

これなら初期投資を抑えつつ、買い換えることが可能ですし、古いタイプのレンズでも高性能な単焦点レンズはたくさん選択肢があるのが魅力でした。

 

となれば、選択肢としてはDfのほうが断然魅力的です。

また、D750だと動画撮影機能もありますが、CanonやSONYの一眼レフと比べるとNikonの動画スペックは見劣りする部分が多く、あっても使わない気がしたので、あまりアドバンテージには感じませんでした。

 

また、Dfは画素数が1635万画素と控えめですが、D80でも画素数としては不満を感じなかったこと、2000万画素以上の高解像度を必要とする大判印刷の機会も今のところなく、D4のユニットを組み込んだDfのほうが階調豊かな写真になるのではないかという期待を込めてDfにすることにしました。

 

オークションでDfと中望遠マクロレンズをGET

私の場合、ヤフオクで出品も落札も行っており、利用には慣れているので、ある程度ハズレを引かない買い方を心得ています。

今回、新品購入では少し予算オーバーだったこともあり、オークションで程度のいい中古を狙ってみることにしました。

 

ちょうど、Df本体と伝説のマクロとも呼ばれるタムキューこと、タムロン 90mm マクロの旧型のセットで出品がありました。

タムキューにも興味があったので、「合わなければレンズだけ売ればいいだろう」ということで入札してみることに!

私の場合、直近の安値圏をもとに入札するスタイルなのですが、Dfとタムキューのセット出品はなかったので、直近のカメラ単体の安値16.5万円+タムキューで17.5万円くらいと判断し、ポチってみたところビンゴでした。

 

届いたDfは個人使用だったので使用感もあまりなく、ショット数も4000枚、目立つ傷みもなくコンディションはなかなかGoodです!!

タムキューの方は172Eという少し古い型だったので外観に使用感が目立ちますが、レンズ自体はコンディションが良かったのでまあいいでしょう。

あとは実際に使ってみてまたレポートしてみたいと思います。

※オークションの利用は多少リスクを伴いますので、自身の責任で行って下さい。

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