デジタル一眼レフカメラの買い替えを検討してみた
私が10年ほど前のニコンの一眼レフカメラ『D80』を愛用しているのというのは6月の記事でも紹介した通りですが、ここ最近いろいろ見えてきたものがあり、やはり限界というか、買い替え時期なのかなぁという予感がしてきたりしてたわけです。
記事を書きながら、感じてた時代遅れ感は否めず、それじゃあってことで買い替えを検討してみました。
検討にあたって考慮した点など、参考になればと思ったのでまとめてみています。
どうして買い替えを検討したのか
これまで使ってきたニコンのD80ですが、正直言ってこれまではあまり不満を感じたことはありませんでした。
コンデジよりきれいに撮れると言われるiPhoneで撮った写真と比べても断然きれいに撮れています。(当然といえば当然ですね…)
不満といえば携帯性ですが、一眼レフを持つ以上これは避けて通れません!
しかし、ふと現行機種のカメラの記事を見たとき、目についた文字がありました。
それは『高感度耐性』です。カメラにはISOといってセンサーの感度を調整する機能があります。
たとえば朝夕や夜など光量が少ない(暗い)条件でに撮影をするとき、シャッタースピードを遅くしないと真っ暗な写真しか撮れません。しかし、それではブレてしまうので、手持ち撮影などはできなくなってしまいます。
そこで、ISOの感度を上げることで高速なシャッタースピードでも撮影できるようになるのですが、ISOを上げるとモザイクが入ったようなノイズが増え、画像が荒れてしまいます。
D80はISO100~1600の間で感度調整ができたのですが、ISO400以上にするとノイズ感が凄く、常用で100〜200しか使っていませんでした。これまでは夜の撮影をする機会がほとんどなかったということもあり、気にすることもありませんでしたが、最近は夜に使おうとしてノイズが酷く諦めるということが何度かありました。
また、撮影サンプルなどを見るとみなさん結構ISO感度は柔軟に調整されているように感じます。
私の場合、以前使っていたコンデジがISO感度が最低にしないと画像の荒れ方がひどかったため、ISO感度は低くすればするほどなめらかな綺麗な絵が撮れるという先入観が強く、ほとんど最低の100固定でした。
過去に撮った撮影の写真のExifを見ても見事に9割以上がISO100という…
ところが、最近の機種ではノイズの現れ方がかなり軽減されているようなのです。
価格.comのレビューを見ているとISO1200くらいまでなら十分使用に耐えるレベルのようです。
そして、感度の上限もISO12800とか桁違いに上がっていることに驚きました。
そしてもう一つ不満に感じていたことはレンズの焦点距離を変えてもレンズの個性がでにくいということでした。
一般的に50mmのレンズが標準レンズと呼ばれており、人間が見ているままの状態に近いとされています。
これより焦点距離の短い、いわゆる広角レンズを使えば画角が広がるだけでなく、遠近感が強調されたり、中心から端に向かって像が広がって見える効果があるので、ダイナミック感を演出することができます。
逆に焦点距離の長い望遠レンズを使うと画角は狭く、遠くのものを寄せて撮ることができます。同時に圧縮効果と言って遠近感を軽減させることができるので、まばらに咲いている桜並木を斜めから撮ることで満開の桜を演出したり…といったことも可能になります。
D80はAPS-Cと呼ばれる規格となっており、フルサイズ機と比べるとセンサーサイズが2/3となっています。同じレンズを使っても2/3にトリミングするかたちになってしまいますので、俗言う35mm換算すると焦点距離が1.5倍になってしまいます。
たとえば、50mmのレンズを使えば75mmの画角となります。当然、写真に写る範囲は狭くなりますが、フルサイズで75mmレンズを使った時と同じ写り方になるわけではありません。
あくまで画の広がり方は50mmレンズの写り方で、フルサイズで撮った時と比べると2/3にトリミングした画になるのです。
どういう事かというと、少し離れた桜並木を望遠レンズで撮るのにフルサイズ機なら150mmのレンズを使うと調度よい条件だったとします。
同じように撮ろうとすればAPS-C機だと100mmのレンズで良いということになりますが、圧縮効果の現れ方はフルサイズ機で150mmレンズを使った時のほうが大きくなります。
逆に、広角レンズで広がり感を見せたい場合、フルサイズ機で24mmのレンズを使う条件であれば、APS-C機だと16mmのレンズということになります。
広角レンズを使うと画が歪むパース感を利用して広がりを演出するのですが、焦点距離が短いほうがパース感は強く現れます。
APS-C機だとより焦点距離の短いレンズを使う必要がありますので、短いのでレンズの効果が現れやすく感じるかもしれませんが、パース感などのレンズの効果は端に行くほど表れやすいので、中心部分をトリミングするAPS-C機だとかえってパース感を利用しにくかったりすることもあるのです。
また、絞りを同じ段階にしても被写界深度は焦点距離が短いほど深く(ピントの合う範囲が広く)なります。
つまり、APS-C機とフルサイズ機で同じ画角の写真を撮ったろうとする場合、フルサイズ機のほうがボケを演出しやすくなります。(近距離だとボケをコントロールするのが難しくなるという側面もありますが…)
買い替えるならフルサイズ機!
これらのことを踏まえると、買い替えはフルサイズ機かなぁという結論になりました。
フルサイズ機ならAPS-C機の画を撮ることは可能です。要は2/3サイズにトリミングしちゃえばいいんです。それに、カメラによってはAPS-C用レンズを使うためにクロップモードが用意されていたりもします。
ただ、難点としては同じニコン機でもレンズの買い替えも必要になることです。
現在メインで使用しているレンズはシグマの『17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM Contemporary』です。
こちらのレンズはAPS-C機専用レンズです。クロップモードを使えば使用は可能かもしれませんが、性能を発揮するにはフルサイズ用レンズを使った方がいいに決まっていますので、メインレンズとして使い続けるのは気が引けます。
ただ、似たようなレンズとなれば大三元と呼ばれるレンズのひとつである『AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED』となってしまいますが、大口径ズームなので重量も値段もかなりのもの…ってか、レンズだけでAPS-C中級機をレンズキットで買ってもお釣りがきちゃいますね…(汗)
でもやっぱ、フルサイズいいよね!
そんなこと言ってもフルサイズの魅力には勝てません。(笑)
まあ、単焦点だけど一本はフルサイズ用レンズである『AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G』もあるし、まあいいか…
そんなノリでまずは買い替え候補を探してみました。
メーカーについてはD80操作感などに満足していることや、一本だけとはいえ手持ちレンズが活かせることからニコンかなということになりました。
現実的に考えて予算MAX20万円程度なので、まずはこれで購入できそうな機種をピックアップして検討することにしてみました。
Nikon D750
D810の下位モデルに当たり、画素数が3635万画素のD810に比べると2432万画素とやや控えめとはいえ、必要十分以上の高画素で高精細な写真が撮れそうです。
重量も840gに抑えられており、チルト液晶やWi-Fiにも対応するなど、使い勝手も良さそうです。
実売価格も20万円前後とどうにか希望通りの金額に収まりそう!
Nikon Df
ひとつ前の最上位機D4のセンサーを搭載したFXフォーマット最軽量機という側面に加え、Ai非搭載のオールドレンズにも対応し、独特のクラシカルな操作系でマニュアル撮影を楽しめるというコンセプトの異彩を放つ機種ですね。
画素数1625万画素でシャッタースピードは最高1/4000、フラッシュ同調だと1/250、AFも39点とスペック的に劣る点もありますが、日常利用でそこまで求められる条件というのも少ないような気もします。
画素数については現行の最上位機種であるD4sも画素数約1600万画素と、D4、Dfと同じになっていますが、余裕ある画素ピッチから高感度かつダイナミックレンジに重点を置いたシリーズとなっています。
実売価格は20万円代半ばとやや予算オーバーな感もありますが、検討対象としては十分ありかなという気がしました。
D750 VS Df
高画素・高精細路線の下位機種D750か、高感度・ダイナミックレンジのD4の下位機種にオールド対応という付加価値もついたDfか悩ましいところです。
Dfには動画撮影機能は一切ついていないので、写真専用機として操作感を大切にするならおもしろい選択肢でしょう。
一方、オート機能全般についてはD750のほうが優勢のようですし、D80からの乗り換えならこちらのほうが操作系は似ていますので、使い勝手も良さそうなので、しばらく悩ましい日々が続きそうです。