【長崎】Sazio-サジオ- カジュアルな路地裏のイタリアン
長崎市にある築町通りの銅座町郵便局から細い路地に入ると、ひと昔前にタイムスリップしたような光景が広がっています。
ここは築町市場や地元の野菜や魚を扱う行商で賑わうことで有名なエリアなのですが、その一角にある建物の2階、ダイエーの向かいにある細い階段を登ると、カウンターだけのひっそりと店を構える小さなイタリアンのお店があります。
店の名前は「Sazio」(サジオ)。
サジオを訪れるとまずはこんな素敵な看板が出迎えてくれます。
お店の入口にあるこの看板はオーナー自ら描いているとのこと…
細い階段を登り、扉を開けると『こんなお店があったのか!』と思わず言ってしまいたくなるような隠れ家のようなお店となっています。
サジオではワインとともにイタリアンを極めてきたシェフの料理を楽しむ“通好みな”お一人様スタイルだけでなく、カップルや女性だけで訪れるお客様も多いようです。
丁寧に作られた、素材の味わいが活きたイタリアン
まずは定番のオードブルの盛り合わせとワインをオーダーしてみました。
彩り豊かに盛られた前菜はひとつひとつ丁寧に作られたしっかりとした味わいで、ワインがすすみます。
味付けはオリーブオイルとスパイスのシンプルさ故に、素材の味わいの良さがしっかりと伝わってきます。
続いて、パスタを!
長崎名物のからすみを使った「生からすみパスタ」はサジオのウリのひとつになっています。
クリーム系のパスタに生からすみをあわせたこちらのパスタは、少し塩味の効いた濃厚で深い味わいがワインにピッタリですね!
オーダーが入ってから一品一品、丁寧に作ってもらえるので、でてくるまでの時間はかかりますが、オードブルなどを注文してワインを楽しむならこの時間も乙なものです。
オーナーの谷口さんと話してみた
サジオのオーナーである谷口さんからお話しを聞く機会があったので、まとめてみたいと思います。
「洋食屋さんで出てくるナポリタンとかは食べたことはあったけど、いわゆる本物のパスタは食べたことはなかった。高校を卒業して調理師学校に通っていた時に、講師が作ってくれたボンゴレ・ビアンコを食べたんですよ。その味に感動して、イタリアンの道に進もうと決めました。その感動は今でも覚えてますね。」開口一番、そう笑顔で語ってくれた谷口さんのイタリアンへの思い入れは人一倍強いようです。
谷口さんは調理師学校を卒業して、19歳で関西にあるエスニックやイタリアンを提供するお店に就職した生粋の料理人なのだとか…
と言っても、そこは料理人の世界。
すぐに調理場に立てるわけではなく、先輩に食べてもらい、認められてはじめてお客さまに提供することができる厳しい世界だったそう。
例えば、パスタの茹で方1つとっても、すぐに習得できる簡単なものではないそうで、パスタの芯が消える瞬間を見極めて、ソースに絡める繊細な作業なのだそうです。
パスタの芯が残っていたら硬くて食べれるシロモノではない。しかし、茹で過ぎたらぶよぶよしてしまう。
谷口さんが高校時代に味わっていたパスタがまさにこれだったそうです。
そして、働き始めて数年経ったころ、ようやく自分が納得出来る美味しい料理を作ることが出来るようになりはじめたそうです。
ところが…「自信を持ちはじめ、地元である長崎に帰ろうと思っていた矢先、イタリアに修行に行っていたシェフがお店に入ってきたんですよ。そのシェフが作ったパスタを食べてショックを受けました。自分の腕では全く歯がたたないと…」
一体何が違ったのでしょう!?「何が違うのかが具体的には分からない。でも、食べたら確かに違いがある。このことは気づくことは出来た。だからこそ、全く歯がたたない、そう、確信しました。」
もちろん、谷口さんがこれまで作ってきたパスタには絶対の自信がありました。
「自分が納得出来るものを食べてもらいたい」という強い想いが味を変えるという決意へと導いた。それから1年ほど、イタリアから帰ってきたシェフのもとで修行に励み、自分の料理に磨きをかけて、自信を持って長崎に帰ってきたそうです。
長崎で働き始めたお店では、1ヶ月で料理長に抜擢され、3年ほど務めた後、自分のお店をオープンさせることが出来たのだそうです。
そんな「Sazio」も今年で開業15年目を迎えることができたそうです。
思いれ深い出来事を聞いてみると、「当時、親に連れられてお店に来ていた小学生の女の子がいたんですが、最近、友達とワイン片手にパスタを食べにくるようになったんですよ!」
そう話してくれた谷口さんの嬉しそうな表情がとても印象的でした。
サジオの詳細情報
TEL:
店休日:月曜日
営業時間:18:00〜23:00
サジオはカウンターのみの小さなお店ですので、週末は満席で入れないこともよくありますので、予約がおすすめです!